【牛久市】牛久シャトーの煉瓦時間|ワイン史散歩と芝生ピクニック

茨城県

茨城県牛久市でワインと歴史が楽しめる史跡をお探しですか?日本初の本格的ワイン醸造場「牛久シャトー」は、明治時代の美しい煉瓦建築が残る国の重要文化財です。この記事を読めば、日本ワインの父・神谷傳兵衛の情熱が宿る歴史的建造物の見どころを巡る散策コースから、併設レストランでの食事、芝生広場でのピクニックといった楽しみ方、アクセス情報まで全てが分かります。歴史散策とグルメを満喫できる牛久シャトーの魅力を徹底ガイドします。

1. 牛久シャトーとは 日本ワインの歴史を刻む煉瓦の史跡

茨城県牛久市に佇む「牛久シャトー」は、日本初の本格的なワイン醸造場として1903年(明治36年)に誕生した歴史的建造物群です。 フランスの古城を思わせる壮麗な赤煉瓦の建物が特徴で、その美しい景観と歴史的重要性から、訪れる人々に特別な時間を提供しています。 約6万平方メートルもの広大な敷地には、かつての醸造施設が大切に保存されており、まるで明治時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。 ワイン造りの歴史を学び、緑豊かな芝生でくつろぎ、美食に舌鼓を打つ。牛久シャトーは、単なる観光名所ではなく、日本のワイン文化の礎を築いた貴重な史跡なのです。

1.1 明治期に誕生した日本初の本格的ワイン醸造場

牛久シャトーの創設者は、「電気ブラン」や浅草「神谷バー」の生みの親としても知られる実業家、「日本ワインの父」こと神谷傳兵衛(かみやでんべえ)です。 若き日にワインと出会い、その滋養強壮効果に感銘を受けた傳兵衛は、「日本人の手による、日本人のための本格的なワイン」を造ることを決意します。 彼はワインの本場フランス・ボルドー地方の気候風土に似た土地を探し求め、この牛久の地に辿り着きました。 フランスの醸造技術を導入し、葡萄の栽培から醸造、瓶詰めに至るまで、すべてを一貫して行うことができる日本初の本格的なワイン醸造施設「牛久醸造場(のちのシャトーカミヤ)」を完成させたのです。 この壮大な事業は、日本のワイン産業の黎明期を告げる大きな一歩となりました。

1.2 国の重要文化財と日本遺産に認定された歴史的価値

牛久シャトーの歴史的価値は国にも高く評価されており、その象徴である旧醸造場の主要な建物は、文化財として大切に保護されています。2008年(平成20年)6月には、「旧事務室」「旧醗酵室」「旧貯蔵庫」の3棟が国の重要文化財に指定されました。 これらの建物は、明治中期の煉瓦造建築として貴重であるだけでなく、当時のワイン醸造工程を理解する上で極めて重要な産業技術遺産とされています。

さらに2020年(令和2年)6月には、「日本ワイン140年史~国産ブドウで醸造する和文化の結晶~」のストーリーを構成する文化財の一つとして、日本遺産にも認定されました。 これらの認定は、牛久シャトーが日本のワイン史において果たした役割の大きさと、その文化的価値を後世に伝えるべき貴重な史跡であることを物語っています。

牛久シャトーの主な文化財指定
指定文化財 指定・認定年 概要
シャトーカミヤ旧醸造場施設3棟(旧事務室、旧醗酵室、旧貯蔵庫) 2008年(平成20年) 国の重要文化財に指定 日本初の本格的ワイン醸造場の主要施設。明治期の煉瓦造建築として高い歴史的価値を持つ。
牛久シャトー(構成文化財として) 2020年(令和2年) 日本遺産に認定 日本のワイン造りの歴史を物語る「日本ワイン140年史」の重要な構成要素として認定。

2. 牛久のワイン史を巡る 史跡散策モデルコース

牛久シャトーの広大な敷地には、日本のワイン造りの黎明期を今に伝える貴重な史跡が点在しています。明治36年(1903年)に実業家・神谷傳兵衛によって設立された日本初の本格的ワイン醸造場の面影をたどり、煉瓦造りの美しい建物を巡る散策モデルコースをご紹介します。 まるで明治時代にタイムスリップしたかのような、特別な時間をお過ごしください。

2.1 旧事務室から始まるノスタルジックな時間

正門をくぐるとまず目に飛び込んでくるのが、牛久シャトーの象徴ともいえる壮麗な「旧事務室」です。 フランスの古城を思わせる美しい煉瓦造りの建物は、訪れる人々を優雅な雰囲気で出迎えてくれます。 この建物は、醗酵室、貯蔵庫とともに国の重要文化財に指定されており、その歴史的価値の高さがうかがえます。 残念ながら文化財保護のため内部は一般公開されていませんが、時計塔を持つ華やかな外観は絶好のフォトスポットです。 ここから始まるワイン史を巡る旅に、期待が膨らむことでしょう。

2.2 圧巻のスケール 旧醗酵室とワインセラー

旧事務室の奥へ進むと、醸造場の心臓部であった「旧醗酵室」が見えてきます。現在は「神谷傳兵衛記念館」として利用されているこの建物は、当時のワイン造りの息吹を間近に感じられる貴重な空間です。 一歩足を踏み入れると、巨大な醗酵樽がずらりと並ぶ光景に圧倒されるでしょう。 2階の資料室では、当時の醸造器具や貴重な写真、ポスターなどが展示されており、牛久でのワイン造りの歴史を深く知ることができます。

さらに、地下へと続く階段を降りれば、ひんやりとした空気に包まれたワインセラー(旧貯蔵庫の一部)が広がります。年間を通して温度や湿度が一定に保たれた煉瓦造りの空間は、ワインの熟成に最適な環境でした。薄暗い照明の中に静かに佇む樽を見ていると、ここでワインがゆっくりと熟成していく時間の流れを感じられるようです。

旧醗酵室(神谷傳兵衛記念館)の見どころ
場所 主な見どころ 特徴
1階 巨大な醗酵樽 かつて葡萄果汁を発酵させていた巨大な木樽が並ぶ圧巻の光景。
2階 醸造器具・歴史資料 明治・大正時代の醸造機械や、当時の様子を伝える写真やラベルなどを展示。
地下 ワインセラー(貯蔵庫) 煉瓦造りの貯蔵庫。ひんやりとした空気の中でワインの熟成の歴史を感じられる。

2.3 神谷傳兵衛記念館で知る日本ワインの父の情熱

旧醗酵室を利用した「神谷傳兵衛記念館」では、「日本ワインの父」と称される創設者・神谷傳兵衛の生涯と功績を詳しく学ぶことができます。 10代の頃にワインと出会い、その魅力に取り憑かれた傳兵衛は、日本人の口に合う甘味葡萄酒「蜂印香竄葡萄酒」を大ヒットさせ、その資金を元に牛久の地に壮大なワイン醸造場を建設しました。 館内には、彼の遺品や数々の資料が展示されており、日本のワイン産業の礎を築いた彼の情熱と、幾多の困難を乗り越えてきた力強い足跡をたどることができます。 ここを訪れることで、牛久のワイン史がより一層味わい深いものになるはずです。

3. ワインだけじゃない 牛久シャトーの楽しみ方

牛久シャトーの魅力は、歴史的な建造物やワイン史を学ぶだけにとどまりません。明治時代の煉瓦造りの建物が織りなす美しい景観の中で、食事やショッピング、そしてゆったりとした時間を過ごすことができます。ここでは、ワインと共に楽しむ食の体験から、家族や友人と過ごす休日の過ごし方まで、牛久シャトーを余すことなく満喫するための方法をご紹介します。

3.1 レストランで味わうフレンチと牛久のワイン

国の重要文化財にも指定されている旧ワイン貯蔵庫を改装したレストランでは、歴史が息づく重厚な雰囲気の中で本格的なカジュアルフレンチを堪能できます。 高い天井と煉瓦の温もりが感じられるモダンクラシックな空間で、地元の食材を取り入れた料理と牛久シャトーのワインが織りなすマリアージュは格別です。 ランチタイムには陽光が差し込む開放的な雰囲気で、ディナータイムにはライトアップされた幻想的な景色を眺めながら、特別なひとときを過ごせます。 記念日や大切な人との食事にも最適な、ここでしか味わえない食体験が待っています。

レストラン基本情報
項目 詳細
ジャンル カジュアルフレンチ
場所 旧ワイン貯蔵庫(国指定重要文化財)
ランチ 11:30~15:00 (L.O. 14:00)
ディナー 17:30~21:00 (L.O. 20:00)
予約・問い合わせ 029-896-3612 (レストラン直通)

3.2 開放的な芝生広場で楽しむピクニック

牛久シャトーの敷地内には、手入れの行き届いた美しい芝生広場が広がっており、ピクニックを楽しむのに絶好のロケーションです。歴史を感じさせる煉瓦造りの本館を眺めながら、のんびりとランチタイムを過ごすのはいかがでしょうか。敷地内のショップで購入したパンやワイン、地ビールを持ち寄れば、手軽に特別なピクニックが実現します。青空の下、歴史的建造物に囲まれて過ごす時間は、日常を忘れさせてくれる贅沢な体験となるでしょう。 ただし、敷地内での飲食ルールについては事前に確認することをおすすめします。

3.3 お土産に最適な限定ワインと地ビール

園内散策の締めくくりには、スーベニアショップ(お土産店)へ立ち寄るのがおすすめです。 ここでは、牛久シャトーでしか手に入らないオリジナルワインをはじめ、創業者・神谷傳兵衛のビール造りへの想いを継いで2021年から新たに醸造が始まったクラフトビールなどを購入できます。

3.3.1 牛久シャトーオリジナルワイン

日本ワインの歴史を語る上で欠かせない牛久シャトーのワインは、お土産や贈答品として大変人気があります。神谷傳兵衛の名を冠したワインや、独特な風味が特徴の「香竄葡萄酒(こうざんぶどうしゅ)」など、ここでしか出会えない一本を探してみてはいかがでしょうか。

3.3.2 復活を遂げた牛久のクラフトビール

一度は醸造を終了したものの、多くのファンの声に応えて復活した牛久のクラフトビールも見逃せません。 ドイツの伝統的な製法に則って造られるビールは、麦芽100%の豊かな味わいが特徴です。 定番のピルスナーやヘレス、メルツェンなど、複数の種類が揃っており、飲み比べも楽しめます。 ワイン醸造の歴史が息づく地で生まれたこだわりの地ビールは、ビール好きの方へのお土産にも最適です。

4. 牛久シャトーへのアクセスと施設基本情報

歴史的な煉瓦造りの建物が魅力の牛久シャトーへの旅を計画される方へ、交通アクセスや施設の詳細情報を分かりやすくまとめました。電車や車での行き方から、各施設の営業時間、駐車場に関する情報まで、訪問前に知っておきたいポイントを網羅してご紹介します。

4.1 電車と車でのアクセス方法

牛久シャトーは、公共交通機関でもお車でもアクセスしやすい場所に位置しています。ご自身の旅のスタイルに合わせて、最適な方法をお選びください。

4.1.1 電車をご利用の場合

最寄り駅はJR常磐線の「牛久駅」です。駅の東口(シャトー口)から牛久シャトーまでは、徒歩約8分から10分ほどで到着します。 駅からはほぼ一本道で、歴史的な煉瓦の建物が見えてくるので、散策気分で歩くのもおすすめです。

4.1.2 お車をご利用の場合

高速道路を利用する場合、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「つくば牛久IC」が最寄りのインターチェンジとなります。 つくば牛久ICからは国道408号線を経由し、約15分から20分で到着します。 敷地隣接の駐車場を利用できるため、小さなお子様連れや荷物が多い場合にも便利です。

4.2 営業時間と駐車場のご案内

牛久シャトーは複数の施設から構成されており、それぞれ営業時間が異なります。また、駐車場は有料となっておりますので、事前に詳細をご確認ください。

4.2.1 施設・店舗ごとの営業時間

園内への入場は無料ですが、各施設の営業時間は異なります。 特にレストランやショップの営業時間は季節や曜日によって変動する可能性があるため、お出かけ前には公式サイトで最新の情報をご確認いただくことを強くお勧めします

施設名 営業時間 定休日 備考
牛久シャトー(庭園) 10:00~16:00 無休(年末年始を除く) 施設点検等で臨時休業の場合あり
神谷傳兵衛記念館 10:00~16:00 無休(年末年始を除く) 旧醗酵室を利用した見学施設です
レストラン ランチ: 11:30~15:00 (L.O. 14:00)
ディナー: 17:30~21:00 (L.O. 20:00)
不定休(公式サイト要確認) 旧貯蔵庫を改装したフレンチレストランです
ショップ 10:00~18:00 不定休(公式サイト要確認) オリジナルワインや地ビール、お土産品を販売しています
ガーデンBBQ 11:30~21:30 (L.O. 20:00) 不定休(公式サイト要確認) 予約制です

4.2.2 駐車場情報

お車でお越しの方のために、有料駐車場が完備されています。駐車場の詳細情報は以下の通りです。

項目 内容
駐車場名 タイムズ牛久中央
収容台数 乗用車 約260台~280台
利用料金 60分100円
最大料金 平日のみ1日最大300円(24時まで)
※土・日・祝日は最大料金の適用がありません
大型バス 駐車可能(無料)

5. まとめ

茨城県牛久市が誇る「牛久シャトー」は、日本初の本格的ワイン醸造場として国の重要文化財にも指定された貴重な史跡です。明治時代に建てられた美しい煉瓦造りの建物群を巡れば、日本のワイン史の奥深さに触れることができます。歴史散策だけでなく、フレンチレストランでの食事や広大な芝生でのピクニックなど、多彩な楽しみ方ができる点も魅力です。この記事を参考に、ぜひ牛久シャトーを訪れ、歴史とワインが織りなす特別な時間をお過ごしください。

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