千葉県松戸市には、日本の歴史と文学に彩られた「矢切の渡し」と、豊かな大地が育んだ新鮮な農産物が手に入る直売所という、知られざる魅力が満載です。この記事では、風情ある渡し船の体験方法から、周辺に点在する農産物直売所で旬の野菜や果物を見つけるコツ、さらには松戸ならではの加工品やお土産選びのヒントまで、松戸市が誇る隠れた魅力を余すことなくご紹介します。歴史探訪と新鮮な食の喜びを一度に満喫できる、充実した日帰り観光プランを効率的に計画できるようになるため、松戸市の新たな魅力を発見したい方はぜひ最後までお読みください。
1. 松戸市が誇る歴史遺産 矢切の渡し
千葉県松戸市と東京都葛飾区柴又を結ぶ「矢切の渡し」は、江戸川に現存する唯一の渡し船であり、その歴史と文化的な背景から多くの人々を惹きつける松戸市が誇る歴史遺産です。都会の喧騒を忘れさせるのどかな船旅は、訪れる人々に特別な体験を提供します。
1.1 矢切の渡しの歴史と文学的背景
矢切の渡しは、江戸時代初期に徳川幕府によって設けられました。当時の江戸防衛政策により、江戸川には橋を架けることが厳しく制限されており、街道に続く渡し船は厳しく管理されていました。しかし、江戸川の両岸に農地を持つ地元農民が関所を通らずに江戸と往来できるよう、特例としてこの渡し船が許されたのが始まりとされています。約380年以上にわたり受け継がれてきたこの渡しは、かつて農民にとって重要な交通手段であり、旅人が農民に扮して利用することもあったと言われています。
この歴史ある渡しは、数々の文学作品や歌謡曲の舞台としてもその名を馳せています。特に有名なのは、伊藤左千夫の小説『野菊の墓』です。主人公である政夫と民子の悲しい恋の舞台であり、二人の別れの場面として描かれました。また、同名のヒット歌謡曲『矢切の渡し』によって全国的にその名が知られるようになりました。さらに、映画『男はつらいよ』の舞台としても登場し、多くの人々に親しまれています。川面を渡る渡し船の音やヒバリ、ユリカモメの声などは、「残したい日本の音風景100選」にも選定されており、その情緒豊かな風景は今も多くの人々を魅了し続けています。
1.2 渡し船の運行情報と料金
矢切の渡しは、江戸川の自然を感じながらのどかな船旅を楽しめる貴重な体験です。運行期間や時間、料金については以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運行期間 | 夏季(3月中旬~11月):毎日運航 冬季(12月~3月上旬):土日祝日および庚申の日のみ運航 ※1月1日~7日は毎日運航 ※7月・8月は月曜・火曜運休(祝日は運航) |
| 運行時間 | 午前10時から午後4時頃まで |
| 所要時間 | 片道約5分~8分 |
| 料金(片道) | 大人(中学生以上):300円 小人(4歳~小学生):100円 |
| その他 | 荒天時は運休となる場合があります。乗船を希望される際は、事前の確認をおすすめします。 |
1.3 矢切の渡しへのアクセス方法
矢切の渡しは、千葉県松戸市側と東京都葛飾区柴又側の両岸からアクセス可能です。それぞれの主要なアクセス方法をご紹介します。
1.3.1 松戸市側からのアクセス
- 電車・バスを利用する場合:JR常磐線または京成電鉄千葉線の松戸駅西口から、市川行きのバスに乗車し「下矢切」バス停で下車後、徒歩約30分です。または、タクシーを利用すると約7分で到着します。土曜・日曜・祝日の一部時間帯には、松戸駅西口から「矢切の渡し」行きの路線バスが運行されており、下車後すぐに渡し場です。北総鉄道矢切駅から向かう場合は、徒歩約35分かかります。駅からはまず「野菊の墓文学碑」を目指し、そこから渡し場まで徒歩約20分です。
- 車を利用する場合:松戸インターチェンジから約7分でアクセスできます。渡し場の近くには無料駐車場(約15台)が用意されています。
1.3.2 葛飾区柴又側からのアクセス
- 電車を利用する場合:京成金町線の柴又駅から徒歩約10分です。柴又帝釈天の裏手にある河川敷を上がり、江戸川沿いに進むと乗り場が見えてきます。
- 車を利用する場合:柴又公園駐車広場(有料、190台収容)を利用すると便利です。駐車場からは徒歩で渡し場へ向かいます。
2. 矢切の渡し周辺 松戸市の新鮮農産物直売所

松戸市、特に矢切の渡し周辺は、都心に近いながらも豊かな農地が広がり、新鮮な農産物の宝庫です。ここでは、地元で採れたばかりの旬の野菜や果物を直接購入できる直売所が点在し、生産者との交流も楽しめます。矢切の渡しを訪れた際には、ぜひこれらの直売所にも立ち寄り、松戸の「食」の魅力を体験してください。
2.1 松戸市内の主要農産物直売所
松戸市内には、生産者の顔が見える安心・安全な農産物を手に入れられる直売所が多数あります。特に、JAとうかつ中央が運営するファーマーズマーケット「さいてって」は、地元の野菜や果物、花、さらにはそれらを原材料とした加工品まで幅広く取り揃えています。新鮮な旬の農産物を求め、多くの人々が訪れる「地産地消」の拠点です。
また、「まつど農産物直売所 まつぼっくり」も松戸市内の生産者が運営しており、レジにも生産者が立つため、お客様と生産者の距離が近いことが魅力です。ここでは、松戸市無農薬栽培研究会の会員が育てた、化学合成農薬を使わない野菜も購入できます。
矢切地区には、「矢切ねぎ」や「矢切キャベツ」で有名な安川農園やカネキ近藤農園などの農園直売所があり、採れたての新鮮な旬の野菜を直接購入できます。
以下に、松戸市内の主な農産物直売所をまとめました。
| 直売所名 | 主な特徴 | 主な取り扱い品目 |
|---|---|---|
| JAとうかつ中央ファーマーズマーケット「さいてって」 | JA直営の大型直売所。地産地消の拠点。食育ソムリエが常駐。 | 地場野菜、果物、花、米、加工品など |
| まつど農産物直売所 まつぼっくり | 松戸市内の生産者が運営。生産者との交流が可能。無農薬栽培野菜も豊富。 | 旬の野菜、枝豆、加工品など |
| 安川農園(矢切地区) | 矢切地区にある農園直売所。 | 矢切ねぎ、矢切キャベツ、季節の野菜 |
| カネキ近藤農園(矢切地区) | 矢切地区にある農園直売所。 | 矢切ねぎ |
また、期間限定で「矢切マルシェ」が矢切の渡し公園で開催されることもあり、松戸産の新鮮な野菜が販売されます。
2.2 旬の野菜や果物 おすすめの選び方
松戸市は、年間を通じて様々な農産物が収穫される地域です。直売所では、「採れたて」の新鮮さが最大の魅力であり、旬の時期に味わうことで、その食材が持つ本来の美味しさを存分に楽しめます。
特に松戸を代表する農産物としては、「矢切ねぎ」や「あじさいねぎ」が有名です。矢切ねぎは、白身が長く太く、強い甘みと柔らかい食感が特徴で、「焼いてよし、煮てよし」と言われる万能野菜です。火を通すとさらに甘みが増し、とろっとした食感が楽しめます。
果物では、梨が特産品であり、松戸市は「二十世紀梨」発祥の地でもあります。幸水、豊水、かおり、あきづき、新高など、様々な品種の梨が8月から10月にかけて収穫され、市内には多くの観光梨園があります。
直売所で野菜や果物を選ぶ際は、以下の点に注目すると良いでしょう。
- 色鮮やかでハリがあるか:新鮮な野菜や果物は、色が鮮やかで表面にハリがあります。
- 葉物野菜はシャキッとしているか:葉がしおれていないか、みずみずしさを保っているかを確認しましょう。
- 根菜類は重みがあるか:ずっしりとした重みがあるものは、水分が豊富で新鮮な証拠です。
- 生産者と会話を楽しむ:直売所の大きな魅力は、生産者から直接話を聞けることです。美味しい食べ方や保存方法など、気軽に尋ねてみましょう。
JAとうかつ中央の「旬の野菜カレンダー」などを参考に、訪れる時期に合わせた旬の味覚を探すのもおすすめです。
2.3 直売所で見つかる加工品やお土産
松戸市の農産物直売所では、新鮮な野菜や果物だけでなく、それらを加工した魅力的な商品やお土産も豊富に取り揃えられています。旅の思い出や、大切な人への贈り物にぴったりな品々を見つけることができます。
特に注目したいのは、松戸の特産品を使った加工品です。例えば、「矢切ねぎコロッケ」は、松戸を代表するB級グルメとして親しまれており、イベントなどで販売されることもあります。 また、あじさいねぎを使った「あじさいねぎの肉みそ」なども開発されています。
その他にも、直売所では以下のような加工品やお土産が見つかることがあります。
- 農家手作りのジャムや漬物:旬の果物や野菜を丁寧に加工した、素朴で優しい味わいが魅力です。
- 松戸産米:地元で育った美味しいお米も購入できます。
- 地元の菓子:老舗和菓子店「峰月」の銘菓「矢切の渡し舟」は、松戸の情緒を感じさせるお土産として人気です。 また、「戸定三楽」などの焼き菓子も松戸市観光協会推奨品となっています。
- 松戸ビール:松戸産の農産物を使ったクラフトビールは、お酒好きの方へのお土産に最適です。
- ドレッシング:松戸産の野菜を使った特製ドレッシングなども販売されています。
これらの加工品やお土産は、松戸の豊かな恵みを自宅でも楽しめるだけでなく、地域経済の活性化にも貢献します。直売所を訪れた際には、ぜひ様々な商品に目を向けてみてください。
3. 矢切の渡しと農産物直売所を満喫する松戸市観光プラン

松戸市を訪れるなら、歴史ある矢切の渡し体験と、新鮮な地元農産物が手に入る直売所巡りは外せません。ここでは、これら二つの魅力を最大限に楽しむための日帰り観光モデルプランと、周辺のおすすめスポットをご紹介します。
3.1 日帰り観光モデルプラン
歴史と自然、そして食の恵みを満喫できる、松戸市の日帰り観光モデルプランをご提案します。効率よく、かつ充実した一日を過ごせるよう、移動時間や各スポットでの滞在時間を考慮しました。
| 時間帯 | 主な活動内容 | ポイント・おすすめ |
|---|---|---|
| 9:00~10:30 | 矢切の渡し体験 | 江戸情緒あふれる渡し船で、のんびりとした時間を過ごします。対岸の柴又帝釈天を眺めながら、文学作品の舞台となった情景に浸りましょう。 |
| 10:30~12:00 | 矢切周辺散策 | 矢切の渡し周辺の史跡や、季節によっては広がる矢切ねぎ畑を散策。のどかな風景を楽しみながら、写真撮影もおすすめです。 |
| 12:00~13:30 | 昼食 | 松戸市内の飲食店でランチ。地元食材を使った定食や、松戸市が誇るラーメン店でこだわりの一杯を味わうのも良いでしょう。 |
| 13:30~16:00 | 農産物直売所巡り | 午後は、松戸市内の主要な農産物直売所を複数巡ります。旬の新鮮野菜や果物、地元産の加工品など、お気に入りの逸品を見つけてみてください。 |
| 16:00~ | お土産購入・帰路 | 直売所で手に入れた新鮮な食材や加工品をお土産に、松戸観光の思い出と共に帰路へ。 |
このプランは一例です。ご自身の興味や体力に合わせて、自由にアレンジして松戸市での一日をお楽しみください。
3.2 周辺の立ち寄りスポットとグルメ
矢切の渡しと農産物直売所巡り以外にも、松戸市には魅力的な立ち寄りスポットや、地元の味覚を堪能できるグルメがたくさんあります。旅の計画に加えて、さらに充実した観光にしましょう。
3.2.1 立ち寄りスポット
- 矢切神社: 矢切の渡しの近くに位置する歴史ある神社で、静かで厳かな雰囲気が漂います。旅の安全を祈願するのも良いでしょう。
- 戸定邸: 国の重要文化財に指定されている、旧水戸藩主徳川昭武の邸宅です。美しい庭園とともに、明治時代の華族の暮らしを垣間見ることができます。矢切の渡しからは少し距離がありますが、歴史好きには特におすすめです。
- 松戸中央公園: 広々とした敷地には豊かな緑が広がり、散策や休憩に最適です。家族連れにも人気のスポットです。
- 柴又帝釈天(対岸): 矢切の渡しの対岸に位置する柴又帝釈天は、映画「男はつらいよ」の舞台としても有名です。渡し船で渡って、門前町の雰囲気を楽しむのも一興です。
3.2.2 グルメ
- 矢切ねぎ料理: 松戸市矢切地区の特産品である「矢切ねぎ」は、甘みが強く、とろけるような食感が特徴です。焼きねぎや鍋物、天ぷらなど、様々な料理でその美味しさを堪能できます。季節限定の味覚をぜひお試しください。
- 松戸ラーメン: 松戸市は、全国的にも有名なラーメン激戦区の一つです。豚骨、魚介系、醤油など、多種多様なラーメン店が軒を連ねています。自分好みの至極の一杯を探すのも、松戸観光の楽しみ方の一つです。
- 地元野菜を使ったカフェ・レストラン: 直売所で手に入れた新鮮な野菜をその場で調理してくれるような、地元の食材を活かしたカフェやレストランも増えています。松戸の豊かな食を五感で味わってみてください。
- 和菓子: 松戸市内には、古くから続く和菓子店も点在しています。伝統的な製法で作られた季節の和菓子は、お土産にも喜ばれるでしょう。
これらのスポットやグルメを組み合わせることで、矢切の渡しと農産物直売所巡りが、さらに記憶に残る松戸市観光となることでしょう。
4. まとめ
松戸市の「矢切の渡し」は、歴史と文学が息づく情緒豊かな場所です。この伝統的な渡し船体験と合わせて、周辺に点在する新鮮な農産物直売所を巡ることで、松戸市ならではの魅力を深く味わうことができます。旬の野菜や果物、手作りの加工品など、地域の恵みを直接手に取れる喜びは格別です。歴史散策と味覚の楽しみを一度に満喫できる松戸市は、日常を離れて心豊かな時間を過ごすのに最適な隠れ観光地と言えるでしょう。ぜひ、矢切の渡しと農産物直売所を訪れ、松戸市の新たな魅力を発見してください。


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