「足柄 古道」と聞いて、どんな道を想像しますか?この記事では、南足柄の歴史深い足柄古道を、初心者も楽しめる「ゆるハイク」で巡る魅力をご紹介します。東海道の難所・足柄峠を越え、金太郎伝説や万葉集にも詠まれた歴史を感じながら、現存する峠の茶屋で一服する特別な体験ができます。金太郎茶屋や見晴らし茶屋の歴史や名物、おすすめの散策ルート、足柄古道にまつわる歴史の小ネタまで、足柄の古道ハイクを満喫できる情報が満載です。南足柄からのアクセスや持ち物・服装のポイントも網羅しているので、安心して歴史と自然が織りなす古道ハイクを満喫できるでしょう。
1. 足柄の古道とは 歴史が息づく南足柄の道

神奈川県南足柄市に位置する足柄の古道は、悠久の歴史を現代に伝える貴重な道です。かつては都と東国を結ぶ主要な交通路として、多くの人々の往来を支えてきました。この古道を歩くことは、単なるハイキングではなく、千年の時を超えて歴史を追体験する旅と言えるでしょう。
1.1 東海道の難所 足柄峠を越える古道
足柄古道は、奈良・平安時代には官道として整備され、中央と東国を結ぶ重要な街道としての役割を担っていました。 特に、箱根外輪山から北に伸びる尾根上に位置する足柄峠(標高759m)を越える道は、東海道における最大の難所の一つとして知られています。
律令時代に定められた五畿七道の一つである「古代東海道」は、江戸時代の「旧東海道」が箱根越えを主としていたのに対し、足柄越えが主要なルートでした。 『延喜式』にも峻険な足柄坂の存在が記されており、「万葉集」や「更級日記」といった古典文学にも、当時の旅人たちが足柄峠を越える様子が描かれています。
鎌倉時代に入ると、より距離の短い箱根峠越えの道(湯坂道)の利用が進みますが、足柄古道はその後も矢倉沢往還として物資の輸送や富士講の人々で賑わいました。
1.2 往時を偲ぶ古道の魅力
現代において足柄の古道を歩く魅力は、その豊かな歴史的背景と、手つかずの自然が織りなす景観にあります。 数千年前の縄文土器が出土していることからもわかるように、足柄峠一帯には古くから人々の営みがありました。 舗装されていない山道や石畳の道が残り、往時の旅人たちが感じたであろう情景を肌で感じることができます。
特に、足柄峠付近からは富士山や箱根の山々、そして相模湾まで見渡せる素晴らしい眺望が広がります。 史跡や伝説、民話にまつわる場所も多く、一歩足を踏み入れるごとに歴史の小ネタに出会えるのも、この古道ならではの醍醐味です。 歴史と自然が調和した足柄の古道は、喧騒を離れて心穏やかに過ごしたい現代人にとって、格好の「ゆるハイク」スポットと言えるでしょう。
2. ゆるハイクで巡る 足柄峠の茶屋スポット

足柄の古道をゆるやかに歩くゆるハイクの楽しみの一つは、道中に点在する趣のある茶屋での休憩です。歴史ある峠道で旅人の疲れを癒してきた茶屋は、現代のハイカーにとっても心安らぐオアシス。南足柄周辺には、往時の面影を残す茶屋がいくつか現存しており、それぞれの場所で異なる魅力に出会えます。
2.1 現存する峠の茶屋とその歴史
足柄峠周辺には、古くから旅人をもてなしてきた茶屋が今も営業を続けています。特に、ハイキングの拠点となる地蔵堂の向かいには「ふれあい処茶屋ふじや」があり、足柄街道を歩く人々にとっての休憩所として親しまれています。また、足柄山のシンボルである金時山の山頂付近には、金太郎伝説にちなんだ茶屋も存在します。これらの茶屋は、単なる休憩場所ではなく、足柄の歴史と文化を感じられる貴重なスポットです。
2.1.1 金太郎茶屋の歴史と名物
足柄山の伝説の主人公、金太郎ゆかりの地として知られる金時山。その山頂付近には、「金太郎茶屋」が登山客を迎えています。この茶屋は、金時山登山における重要な休憩ポイントであり、多くのハイカーに愛されてきました。名物として特に有名なのは、足柄牛を100%使用した「まさカリーうどん」です。登山で疲れた体に、スパイスの効いた温かいうどんは格別の味わいを提供します。また、金太郎にちなんだお土産品も豊富に揃っており、訪れる人々の旅の思い出を彩ります。
2.1.2 足柄峠を望む見晴らし茶屋
足柄峠の頂には、古くから旅人が行き交い、雄大な景色を眺めてきた場所があります。ここに位置する「足柄峠茶屋」は、まさに「足柄峠を望む見晴らし茶屋」と呼ぶにふさわしい存在です。茶屋からは、富士山をはじめとする壮大な山々のパノラマが広がり、天気の良い日には遠く駿河湾まで見渡せることもあります。かつての旅人たちがこの場所で息を整え、眼下に広がる景色に感動したであろう情景を想像しながら、一服のお茶を楽しむことができます。ここでは、「金太郎だんご」など、地元の素材を活かした素朴な甘味も楽しめ、絶景とともに忘れられない思い出を作ることができるでしょう。
2.2 昔ながらの雰囲気を楽しむ茶屋巡りの醍醐味
足柄古道の茶屋巡りの醍醐味は、単に食事や休憩をするだけでなく、昔ながらの雰囲気に浸れることにあります。囲炉裏を囲んで温かいお茶をいただいたり、店主との会話を楽しんだりすることで、古き良き日本の旅情を感じることができます。また、それぞれの茶屋が持つ独自の歴史や、そこで語り継がれてきた物語に触れることで、ハイキングがより一層深みのある体験となるでしょう。自然の美しさと歴史の重みが融合した足柄の茶屋は、現代の喧騒を忘れさせてくれる特別な空間です。
3. おすすめ ゆるハイクコース 足柄古道散策ルート

歴史ある足柄古道を、無理なく楽しめる「ゆるハイク」として満喫するためのコースをご紹介します。南足柄市を拠点に、古道の魅力と峠の茶屋を巡る、心安らぐ散策に出かけましょう。
3.1 初心者でも安心 南足柄からのんびりコース
初めて足柄古道を歩く方や、体力に自信がない方でも安心して楽しめるのが、南足柄市からのアクセスを活かしたのんびりコースです。大雄山駅など南足柄市内の主要駅からバスを利用し、足柄峠に近い場所まで移動することで、急な登りを避け、古道の雰囲気を気軽に味わうことができます。
このコースでは、バス停から足柄峠周辺の比較的平坦な古道の一部を散策し、歴史的な石碑や道標を巡ります。途中には、遠く富士山を望む景勝地もあり、美しい自然と歴史の融合を五感で感じられるでしょう。短時間で古道の魅力を凝縮して体験できるため、気軽に歴史散策を楽しみたい方におすすめです。
3.2 歴史を感じる古道と茶屋を巡るモデルコース
足柄古道のハイライトである峠の茶屋を訪れ、往時の旅人気分を味わいたい方には、こちらのモデルコースが最適です。古道の歴史的な背景に触れながら、現存する茶屋で一服する、充実した一日を過ごすことができます。
3.2.1 所要時間と距離の目安
このモデルコースは、足柄峠周辺の主要な見どころを効率よく巡るためのものです。公共交通機関の利用を前提とした、無理のない行程を提案します。
| スタート地点 | ゴール地点 | 距離(目安) | 所要時間(目安) |
|---|---|---|---|
| 足柄峠バス停 | 足柄峠バス停(周回) | 約3~5km | 約2~3時間(休憩含む) |
※上記は純粋な散策時間であり、茶屋での休憩や見学時間は含まれていません。時間に余裕を持った計画をおすすめします。
3.2.2 立ち寄りスポットと見どころ
このコースでは、足柄古道の歴史と文化を象徴するスポットを巡ります。豊かな自然の中で、歴史の息吹を感じられるでしょう。
- 足柄峠(あしがらとうげ)
東海道の難所として知られた足柄峠は、古くから交通の要衝でした。峠からは、条件が良ければ雄大な富士山を望むことができ、その絶景は旅人の疲れを癒したことでしょう。万葉集にも詠まれた歴史ある場所で、古道の雰囲気を存分に味わえます。
- 金太郎茶屋(きんたろうぢゃや)
足柄峠に位置する現存する峠の茶屋の一つです。金太郎伝説にゆかりのある場所として知られ、店内には金太郎グッズが並びます。名物の力餅や温かいお茶をいただきながら、古道の旅に思いを馳せるのは格別です。昔ながらの素朴な雰囲気が魅力です。
- 見晴らし茶屋(みはらしぢゃや)
金太郎茶屋と並び、足柄峠に立つ茶屋です。その名の通り、見晴らしの良い場所に位置しており、特に天気の良い日には素晴らしい景色が広がります。温かい食事や軽食も提供されており、ハイキングの途中の休憩に最適です。
- 足柄関所跡(あしがらせきしょあと)
かつて、箱根関所と並ぶ重要な関所として、人や物の往来を取り締まっていた足柄関所の跡地です。現在は石垣や礎石が残り、往時の面影を偲ばせます。歴史の舞台となった場所で、古道の重要性を肌で感じることができます。
- 地蔵堂(じぞうどう)
足柄古道沿いには、旅の安全を願う地蔵尊が祀られた地蔵堂が点在しています。素朴ながらも歴史を感じさせる佇まいは、古道歩きのアクセントとなります。旅人の信仰心に触れることができるでしょう。
4. 足柄古道にまつわる歴史の小ネタ

4.1 金太郎伝説と足柄の関わり
足柄山は、日本の昔話に登場する力持ちの英雄、金太郎(坂田金時)が幼少期を過ごした地として知られています。幼い頃から怪力で、動物たちと相撲をとったり、木を倒したりして育ったという伝説が残されています。源頼光の四天王の一人として活躍する前の、純粋でたくましい金太郎の姿は、足柄の豊かな自然の中で育まれたと語り継がれています。この地には、金太郎が産湯に使ったとされる池や、遊んだとされる岩など、伝説にまつわるスポットが点在し、訪れる人々に夢とロマンを与えています。
4.2 万葉集にも詠まれた足柄峠
足柄峠は、古くから東海道の要衝として、多くの旅人が行き交った場所です。その重要性は、日本最古の歌集である万葉集にも詠まれていることからも伺い知ることができます。万葉集には、防人(さきもり)として東国へ向かう兵士や、都から派遣された役人たちが、足柄峠を越える際の故郷への思いや旅の苦労を歌った歌が収められています。歌に込められた情景は、現代の私たちにも、当時の旅人たちの心情を鮮やかに伝えてくれます。
4.3 旅人が語り継いだ古道の物語
足柄古道は、単なる移動の道ではなく、多くの旅人にとって人生のドラマが繰り広げられた舞台でもありました。難所を越える旅の途中で出会う人々との交流、峠の茶屋での温かいもてなし、そして時には盗賊の脅威など、様々な物語が生まれ、語り継がれてきました。特に、峠の茶屋は、旅の疲れを癒すだけでなく、情報交換の場でもあり、旅人たちの生の声が聞かれる貴重な場所でした。これらの物語は、古道が持つ歴史的な価値だけでなく、人々の暮らしや文化を伝える貴重な財産として、現代に息づいています。
5. 足柄の古道ハイクを楽しむための準備とアクセス

5.1 持ち物と服装のポイント
足柄の古道でのゆるハイクを快適に楽しむためには、事前の準備が重要です。特に、山間部の天候は変わりやすいため、適切な服装と持ち物を選びましょう。
服装は、重ね着を基本とし、体温調節しやすいものを選んでください。素材は、汗をかいても乾きやすい化学繊維のTシャツやシャツがおすすめです。また、肌の露出を避け、長袖・長ズボンを着用することで、日焼けや虫刺され対策にもなります。足元は、整備された古道でも滑りにくいトレッキングシューズ(ローカット)が適しています。急な雨に備えてレインウェアは必ず持参し、日差しが強い日には帽子も忘れずに携帯しましょう。
持ち物としては、水分補給のために1リットル以上の水筒を用意し、行動食としてクッキー、飴、羊羹、ドライフルーツ、塩分補給ができるものなどを持参すると良いでしょう。万が一の怪我に備え、絆創膏や消毒液などが入ったファーストエイドキットも必需品です。道に迷わないよう、地図やスマートフォンアプリなどのナビゲーションツールも準備しておくと安心です。
季節ごとのポイントとして、肌寒い時期(秋~冬)には、フリースや薄手のダウンジャケット、冬用パンツ、グローブ、ネックウォーマー、防寒ソックスなどを加えることで、より快適に過ごせます。
5.2 南足柄からの交通手段と駐車場情報
南足柄方面から足柄の古道へアクセスする方法は、公共交通機関と車のいずれも利用可能です。
5.2.1 公共交通機関でのアクセス
鉄道を利用する場合、伊豆箱根鉄道大雄山線の大雄山駅が主要な拠点となります。大雄山駅からは、箱根登山バスを利用して古道の入り口に近いバス停へ向かうことができます。例えば、「地蔵堂」行きのバスに乗車すると、多くのハイキングコースの起点となる地蔵堂エリアにアクセスできます。また、季節限定で「足柄万葉公園」行きのバスも運行されています。
小田急線を利用する場合は、新松田駅で下車し、箱根登山バスで「関本」へ向かい、そこから「地蔵堂」行きのバスに乗り換えるルートもあります。
主要なバス路線と所要時間の目安は以下の通りです。
| 出発駅 | バス路線・行先 | 下車バス停 | 所要時間(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 伊豆箱根鉄道大雄山線 大雄山駅 | 箱根登山バス 地蔵堂行き | 地蔵堂 | 約25分 | 古道ハイキングの主要な起点 |
| 伊豆箱根鉄道大雄山線 大雄山駅 | 箱根登山バス 足柄万葉公園行き | 足柄万葉公園 | 約40分 | 運行は4・5・10・11月のみ |
| 小田急線 新松田駅 | 箱根登山バス 関本行き → 地蔵堂行き | 地蔵堂 | 約17分(関本まで)+約25分 | 関本での乗り換えが必要 |
5.2.2 車でのアクセスと駐車場情報
車でアクセスする場合、東名高速道路の大井松田インターチェンジ(大井松田IC)または御殿場インターチェンジ(御殿場IC)が便利です。インターチェンジを降りてからは、県道78号線などを利用して足柄峠方面へ向かいます。
足柄古道周辺にはいくつかの駐車場があります。
| 駐車場名 | 場所 | 収容台数(目安) | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 足柄峠駐車場 | 足柄城址公園付近 | 約15~20台 | 無料 | 足柄峠のすぐ近く |
| 足柄万葉公園駐車場 | 足柄万葉公園内 | 約10台 | 不明 | 足柄峠の東側 |
| 地蔵堂駐車場 | 地蔵堂エリア | 不明 | 不明 | 地蔵堂バス停付近 |
| 夕日の滝駐車場 | 夕日の滝付近 | 不明 | 不明 | 夕日の滝へのアクセスに便利 |
駐車場は数に限りがあるため、特に行楽シーズンや休日には早めの到着をおすすめします。一部の駐車場は未舗装路の路肩スペースである場合もあります。最新の情報は、事前に南足柄市観光協会や各施設の公式サイトなどで確認してください。
6. まとめ
足柄の古道は、ゆるやかなハイクで美しい自然と歴史を同時に楽しめる、南足柄が誇る特別な場所です。峠の茶屋で一息つきながら往時の旅人に思いを馳せたり、金太郎伝説や万葉集に触れて深い歴史に浸ったりと、訪れる人に感動と発見を与えてくれます。初心者にも優しいコース設定と、充実した見どころは、日常を離れて心身をリフレッシュするのに最適です。ぜひ、歴史が息づく足柄古道で、心豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。


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